1945年――ヨーロッパ。第二次世界大戦の末期である。 フルトの親衛隊情報部所属【ディルク=ベルンシュタイン】少佐 は、日ごとに濃くなる敗戦色に内心苛立ちを募らせていた。 しかし同時に、この局面を覆す秘策を自身が持っている事に 内心ほくそ笑んでもいた。 戦果を挙げれば親衛隊内での地位向上・影響力拡大は間違いない。 それどころかいずれはフルトの全権掌握も―――。 ―――だがその目論見は、思わぬ形で失敗する。 完成間近の最終実験段階において装置は暴走、不可解な現象を 引き起こしたのだ。 気づけば少佐率いる部隊は研究施設ごと、見覚えのない山中へと 移動していた。 片腕とも呼べる研究者の口から、信じられない言葉が飛び出した。 『少佐―――ここは恐らく、異世界だ』 半信半疑ながらもただちに周辺調査を行った結果、ここは童話の ように奇妙な生物が徘徊し、魔法なる技術が存在し、人間たちは まるで中世のような鎧兜に身を包んで闊歩する世界だった……。 注文方法の説明はこちら
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